あうとわ~ど・ばうんど

Fred Anderson Quartet - Dark Day

買い足したCDがもう一枚(8日参照)。

DARK DAY + LIVE IN VERONA (1977)

DARK DAY + LIVE IN VERONA (1977)

Fred Anderson(ts) Bill Brimfield(tp) Steven Palmore(b) Hamid Drake(ds, tablas)


フレッド・アンダーソンが79年5月にシカゴでライブ録音したアルバムのCD化に際し、同じメンバーでその4日後にイタリアで録音されたライブを付け加えた2枚組。それぞれのライブは日付も近いし、2曲重なっているというのに、ほとんど違う内容になっていて、しかもオリジナルアルバムでないイタリア音源のほうが明らかに「良い」のだから驚くべきだろう。アンダーソンは当時ちょうど50歳、まだまだ元気な吹き盛りで、タイトル曲の60~70年代ジャズを引きずったような感触など、ああアンダーソンもやっぱりジャズが根っこにあるのだなあ、とうれしくなる。ところで、トランペットの人はおそらくそうとう真面目にいろんなミュージシャンを研究してるんだろうなあと思えるが、1か所ものすごくブッカー・リトルに似てるところがあって、その瞬間に到達するたび、何だかニヤけてしまう。

Trumpets And Drums - Live In Ljubljana

買い漏らしていたアルバム。元は2013年の clean feed 作品だが、ネイト・ウーリーの bandcamp で今年販売開始されている。


Trumpets And Drums - Live In Ljubljana
Nate Wooley / Pleasure of the Text / Sound American, 2013)
Jim Black(ds, electronics) Paul Lytton(ds, per) Nate Wooley(tp, effects) Peter Evans(tp)


録音は2012年のリュブリャナ・ジャズ・フェスティバル。メンバーから勝手に想像していた音と比較すれば、ミニマルな即興、というイメージだが、悪かろうはずはない。とは言いつつ、せっかく2打楽器・2トランペットという面白い編成なのだから、同じ楽器同士・違う楽器同士・組み合わせ同士、それぞれにもっと対決色の濃い展開も聴きたかったところではあるが。

Fred Anderson Quartet - Birdhouse

年末年始に買った中古盤は2月19日で打ち止めにしたはずだったが、実はその後、「残り物」を買い足していた。

Bird House

Bird House

Fred Anderson(ts) Jim Baker(p) Harrison Banhead(b) Hamid Drake(ds)


フレッド・アンダーソン、95年(4曲のうち1曲だけ94年)のライブ。アンダーソンのアルバムとしては珍しくピアノが入っていて、このジム・ベイカーのピアノが、アンダーソンが吹いているときはフリーに伴走しつつも、アンダーソンが吹き終えてピアノトリオになったとたん、「昔ながらの」と形容したくなるようなフリー風味をまぶしたモーダルジャズっぽくなる。そして演奏が進むにつれ、アンダーソンのサックスも(やってることはいつも通り、なのだが)それっぽく聴こえてきてしまうから何とも不思議。

Chessex / Noble / Edwards - 12.12.16

OTORoku の DL アルバムをついでにもう一枚。

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Chessex / Noble / Edwards - 12.12.16
OTORoku, 2017)
Antoine Chessex(ts) John Edwards(b) Steve Noble(ds)


幾多のフリージャズサックストリオを支えてきた エドワーズ=ノブル・コンビの今回のお相手は、スイスのアントワーヌ・シェセクス。名前はどこか(忘れた)で引っかかっていたけれど、聴くのは初めて。1980年生まれというから、若手とは言えないだろうが、年寄だらけのこの世界では新世代に属する奏者と言っていいだろう。テナーサックスによる演奏はふつふつ煮え立つようであり、音色もよく、なかなか好印象。なるほどこういう演奏をする人だったのか。


試聴

Yoshihide / Yamazaki / Parker - 14.11.16

久々に OTORoku のダウンロードアルバムを聴く。

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Yoshihide / Yamazaki / Parker - 14.11.16
OTORoku, 2017)
大友良英(g) 山崎比呂志(per) Evan Parker(ts)


これは良かった。エヴァンがテナーサックスだけでソプラノを吹かないのが不満と言えば言えなくもないが、3人のくんずほぐれつが非常に見事である(演奏は最初、エヴァン抜きのデュオから始まるのだが)。むろん3人対等ではあるけれど、主役級の活躍と感じられるのは山崎氏のきめ細やかな粒立ちの良いパーカッションであって、高柳昌行が亡くなるまで長く活動を共にした経歴は伊達ではないとはいえ、これには正直驚いた。ところで、どうして大友さんだけファーストネーム表記なんだろ?


試聴

Crash Trio - Live at Crash

イタリアに注文していたエドアルド・マラッファの旧作が届く。


Crash Trio (Edoardo Marraffa, Chris Iemulo, Stefano Giust) - Live at Crash
setola di maiale, 2008)
Edoardo Marraffa(ts, sopranino) Chris Iemulo(acg) Stefano Giust(ds)


やっぱりマラッファのサックス(とくにテナー)の音は素晴らしい。もしかすると真鍮の金属結合すら震わせているのではないかと思えるほど管全体を鳴らしきり、硬質でありながら、かつて60年代のフリージャズミュージシャンが持っていたような肉声を感じさせるような生々しさで迫ってくる。現代的でありつつ折目正しきフリージャズ、と聴こえるのは、やはり彼の音に起因するところ大であろう。


参考動画
www.youtube.com

Craig Taborn - Daylight Ghosts

Daylight Ghosts

Daylight Ghosts

Craig Taborn(p, electronics) Chris Speed(ts, cl) Chris Lightcap(b, b-g) Dave King(ds, el-per)


ECМ作品とはいえ(どうしても偏見が拭い難いのだ)テイボーンのことだからそれなりの高水準はクリアしているだろうとは思っていたが、試聴はせずに予備知識なしで聴いてみたら、いやあ正直ここまで良いとは思っていなかったなあ。クリス・スピードの薄墨を垂らしたようなテナーサックスに比して、テイボーンのピアノのほうがよっぽどホーン的というか前景的であり、ここでベースを弾いているライトカップの「Bigmouth-Epicenter」でのそれを思い出させるような過激なキーボードプレイをこのレーベルでもやるのか、という蛮勇?にしびれた。


EPK
www.youtube.com